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About The “KLASICA”

前回に引き続き
KLASICA(クラシカ)をご紹介します。

今回ご紹介するのは2つのシャツと
シャツに潜むKLASICAの物作りへの拘り。
それらを少しだけ紐解いていくような内容となっています。

前回の続きではありますが
KLASICAについてより詳細に書き綴った今回。
よろしければまずは本記事からお楽しみくださいませ。

一つ前の記事:-1-

※KLASICAの全アイテムはこちらでご覧いただけます。


KLASICA 2021-2022 FALL/WINTER Collection

“sceneries”

 −100/2 BROAD CLOTH−

ヨーロッパのアンティークシャツ復刻をテーマに
製作された2型のシャツ。

Instagramではもう何度も載せていますが
今までのKLASICAの知識と経験とセンス
その全てをぎっしりと詰め込んだアイテムです。

KLASICAをこれから初めて買うという方にはもちろん、
今までKLASICAが好きでご愛用されている方にも
ぜひ一度手に取って頂きたい一着。

とにかく美麗なシルエットと
アイデンティティ溢れるディテールの数々。
素材にはシャツ地として非常に最適な
“コーマブロード”を用いて上品な仕上がりに。

細部に至るまで本当に素敵です、、、

 

KLASICAのCollectionに共通する
大きな要素の一つとして
様々なジャンルを“MIX”させるという点が挙げられます。

ドレスとワークの間
クラシックとモードの間
既製服とオートクチュールの間

様々な境界線をあやふやにし、
絶妙なバランス感覚で整え、
あくまでベーシックに仕立て上げる。

オリジナルかつ“格好良い服”を生み出すセンスが
私が愛してやまないKLASICAには溢れています。

そんなコレクションが立ち並ぶ中で
王道に近いような生地と形の組み合わせである、シャツ2型。

ワークとドレスのバランスを
意図的にドレス寄りにしていったモデルと
デザイナー河村氏も語ります。

ではどのようなアプローチでKLASICAの“らしさ”を残しているのか。

 

まずは2型共通の箇所から。
一つはこの脇下のパターン。

この特徴的なアームホールは
1930年代の“ワーク”ジャケットからリソースされたもの。

もちろん、腕を下ろした状態では見えない箇所。
一見して分からないように潜ませ、主張はあくまで“ドレス”として。

 

次にステッチ。

アンティークの仕立てをベースに挑んだという
粒のように細やかなステッチ。

工場との綿密な打ち合わせの上で
どこまで細かくできるかを追求したそうです。

古き良き服の仕立てを現代の技術で再現。
全てはKLASICAと工場との信頼関係があってこそ。

しかもこの縫製、全て綿糸だというから驚きです。

現代であれば化繊糸を使用するのが普通、
ですがそれが当たり前となったのは
長い服飾の歴史の中で見るとごく最近の出来事です。

素材選びに至るまで“Antique”を意識した一着。

 

更には脇身頃の極細巻き伏せ本縫い。
幅2mmほどでしょうか。とにかく細い。

この仕様は、ハイグレードなドレスシャツに共通するワンランク上のディテールです。

仕立ての良さは着心地に直結します。
これを見て欲しくなる人もいる程、丁寧な仕立て。

次に型それぞれの違いを見ていきましょう。
まずはCLS-Mk01より。

 

ワークシャツをベースに製作された
立ち襟と前立ての仕様。

特徴的な脇下の袖付けも
元々はこのシャツの型から始まったもの。

KLASICAが切り開く
新たなスタンダードシャツの形。

 

次に背中のヨークギャザー。

もちろんカフスのギャザーにも抜かりありません。

当然のように後ろ姿まで美しいシャツ。

洗い込む事で生まれるパッカリングも楽しみな一着。

 

前後で長めにとられた裾。

もう一つの型と比べて
ジャストフィット×セミロング丈です。

すっきりとした身幅と縦長なシルエットは
ブルゾン等のショート丈アウターとのレイヤードも楽しめる一着。

ドレス&モードな雰囲気を高めてくれます。

 

つまり、こういう事。

スタンドカラーである点も
レイヤードのしやすさを後押ししていますね。

次にCLS-Mk02を見ていきましょう。

 

言い忘れましたがシャツ2型は
メンズ&レディースで展開されています。
女性が着るとまた違う顔を見せてくれるから、不思議。

CLS-Mk02は
一見、正統派でクリーンなシャツ。

しかしよく見てください。
襟の形が少し面白くないですか?

小ぶりで幅広なスクエアカラー。
またそれに連動するように
リラックスフィットな“ボックス”シルエット。

そう、実は“四角”をキーワードに組み立てられたシャツなんです。

 

すとんと落としたような印象を作るタックと
2つのパーツに分かれたヨーク。

シンプルでミニマルな
“四角く”区切られた背中を演出します。

 

そしてこのヘムライン。
写真で分かる通り、幅広ですよね。
このシャツで最も特徴的な仕様。

この“四角い”ヘムラインが
全体の印象をより際立たせる重要なポイント。

見ただけだと分かりにくいのですが着ると一目瞭然。
この些細なディテールが非常に効いています。

その他、ワークジャケットの袖付けや粒のような綿糸ステッチなどは同じ仕様です。

 

以上、シャツ2型のご紹介とは思えないほど
長々と綴ってしまいましたがいかがでしょうか。

KLASICAというブランドがいかに細部まで拘り抜いた物作りをしているのか。
その姿勢がこのシャツ2型だけで十分感じ取れると思います。

しかし。
決して誤解をせず捉えていただきたい。
KLASICAにとってディテールはあくまで手段に過ぎません。

『これは⚪︎⚪︎だから凄い』
『××を使っているから希少だ』

そのような“目先”が
KLASICAのモノづくりの本質ではありません。

KLASICAの最たる魅力は
独自性(KLASICAらしさ)と
衣服としての完成度(リアルクローズ)の
絶妙な境界線に存在する事だと私は捉えます。

独自性とはオリジナリティ。
過去を真似るのではなく、
世に無い物を“創造”する事。

その拘りは上記シャツの袖付けしかり、
サイズ感や縫製糸など一見して分からない部分にまで
随所に散りばめられています。

その上でデザイナー河村氏は
リアルクローズである事から“逃げない”。
奇をてらわずに追求した新しい衣服は
様々なスタイリングに自然と溶け込んでいきます。

唯一無二であり、時を超えても尚愛される衣服。
それがKLASICAだと思っています。

 

また、それは素材選びにおいても。

前回の記事でも紹介しましたが
上記画像は2021-2022AWで使用された
“Monochrome Hound Tooth”。

経糸・緯糸共に同色の黒い糸を使用する事で
あえて千鳥格子の織り柄を潰し、
独特のテクスチャーのみを際立たせたオリジナルテキスタイル。

せっかくの織柄を同色糸で潰すという発想、
さすがと言わざるを得ません。
デザイナー河村氏ならではの感性。

KLASICAの生地は毎シーズン変わりますが
(それ自体も凄い事、、、)

そのほとんどが機屋さんとオリジナルで企画したもの。

素材選びや織り方に潜む独自性は元より、
耐久性や手洗いの可否など
生地の実用性をも意図して製作されています。

なのでこの“Monochrome Hound Tooth”も
ウール混ですが手洗いOKの生地。
ウール糸を強撚し、かつリネン糸と掛け合わせる事で
生地の耐久性や扱いやすさはもちろん、
着用と洗いによって独特の毛羽を生み、
より退廃的で心地良い風合いへと育っていきます。

永く着用する上で
経年“進化”するのか“退化”するのかは
とても重要な要素の一つ。

新品の状態を着地点とするのではなく、
後の姿を見据えて生み出す事を
KLASICAでは意識されています。

 

KLASICAの衣服が気になられた方々、
まずはぜひ店頭へ足をお運びください。

100の言葉よりも1の経験。
百聞は一見にしかず、ですね。
手に取ってから考えましょう。

衣服との素敵な出会いが訪れますように。




こちらの記事は-1-から始まっています。

KLASICAの全アイテムはこちらにてご覧いただけます。

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