2021-22 冬の染め直し −泥−
こんにちは。
「あっ」という間に、12月も残り僅か。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
度々、店頭やInstagramにて告知しておりましたが
いよいよ詳細となります。
“2021-22 冬の染め直し −泥−”
−受付期間−
2021.12.1〜2022.1.31
(お受け渡しは4月を予定)
−染色方法−
“金井工芸/奄美大島”
泥染め(濃茶色)
−染色可能素材−
綿、麻、絹、竹、和紙、
レーヨン等の再生系化学繊維
※ウール混素材は別途ご相談ください
《染め直しの流れ》
- 店頭へご希望の衣服を直接お持ち込みください。
- g数を計量して金額を算出、その場でお支払いをお願い致します。(※現金決済のみ)
- 染め直し完了後、随時ご連絡致します。
《注意事項》
- 予め洗濯等を行なった状態でお持ち込みください(染めムラの原因となります)。
- 衣服によって“縮み”が起こる場合がございます。
- 染め直し後のご返金・ご返品等はお受けできかねますのでご注意ください。
その他、染め直しについて詳しい注意事項はこちらをご覧くださいませ。
分からない事やご不明な点は、
HP、Instagram、お電話等で
いつでも聞いてくださいね。
また、
今回の主役である“泥染め”と
その技法のプロフェッショナルである
“金井工芸”についても少しご紹介を。
奄美大島の伝統技法である“泥染め”。
最も有名なのは
世界三大織物の一つ“大島紬”ではないでしょうか。
大島紬の特徴である“深い黒”を生み出すべく、
奄美で1300年前から受け継がれる染色技法。
“テーチ木(車輪梅)”と呼ばれる現地の植物を1日かけて煮出す事で『染料』を作り、染色。
その後、泥田に漬ける事で『媒染』を果たし
独特の渋い色味を作り上げていきます。
奄美大島には150万年前の古代地層が残っていて、
特有の鉄分やミネラルが“泥”に溶け出し、それが他にはない独特の色味を生み出す要因となっています。
全てが自然の成すがままに完結されるこの手法を用いて
自然界にはない大島紬の“黒”を作り出す事は至難の技。
染色工程を約100回程繰り返す事で
ようやく生まれる色なのだそう。
そして今回、
mienisiにて受付する“濃茶色”も
大変な手間暇をかけて生み出される色味。
通常の染色とは全く異なる
“深み”を感じさせる、色と風合いです。
ある種、贅を尽くした染め直しと言っても良いかもしれませんね。
実は様々な“色”を持つ金井工芸さんの染色。
それを生み出したのは同染工房の3代目にあたる染色家・金井志人氏です。
元々は褐色しか行なっていなかった泥染めに草木染めや藍染めの“色”を取り入れる事で、独自の多色な染めを編み出しました。
それだけでなく。
「染色=布」という枠組みを飛び越えて
木材等の資材を泥染めで仕上げたり、
泥染めを全国どこでも・自宅でも楽しめる
「泥染めDIYキット」を企画・販売されたり、
全国各地でワークショップやトークイベントなどを開催されるなど、
泥染めの可能性を追求すべく
多方面で精力的にご活動されています。
そんな金井志人氏のご厚意に預かり、
mienisiでも染め直しの受付をさせていただける事に。
泥染めで染め直しするという貴重な機会。
今回選んだ“濃茶色”は
金井志人氏曰く
“最も泥染めらしさを感じてもらえる色”。
上の写真は染め直しのサンプル。
(店頭にて直接ご覧いただけます)
実はこの羽織り、
MITTANの“ラオスコットンロングシャツ”を染めていただいたもの。
伝わりますでしょうか、この色味と質感。
濃密な茶はどこか気品すらも漂わせます。
綿100%の手織り生地が
泥染めによって全く異なる雰囲気の衣服へと生まれ変わりました。
生地は生機(染色や加工がされていない)に近いほど
より深い色味へと仕上がります。
そう、素材や混紡率によって色味は左右されるのです。
もちろんある程度の色の調整は行われますが、
全ては自然によって完結される染色技術。
つまり“自分だけの濃茶色”を
お楽しみいただけるという事。
もちろん、着用によって経年変化も起こりますよ。
以前、泥染めのショッパーもお配りしましたね。
これも金井工芸さんによって染めていただいたもの。
今回も新たな色味のショッパーを作る予定です。
こちらもどうかお楽しみに。
さて、長々と書き綴ってしまいましたが
“泥染めの魅力”
少しでも感じ取っていただけたでしょうか。
言葉だけでは表現しきれない“何か”が
奥深い風合いの中には潜んでいます。
なのでまずは
店頭で実物を見ていただくのが一番良いかと。
間違いなく唯一無二の染色技法。
それが衣服の風格をも変えるはずです。
受付期間は来年1月末までとなっております。
1着からでもお受け致しますので
この機会、ぜひお見逃しなく。
皆様の衣服が末永く大切な物となります事、
心から願っております。
今年も残り僅かですね。
少し早いですが、皆様、良いお年を〜!