和紙布とベンガラ染め -1-
こんにちは。
桜もあっという間に散ってしまい、すっかり春の陽気。
というより初夏を感じさせるほど暑いですが、、、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日Instagramにてちゃっかりとご紹介させていただきました
“和紙布”
実は昨日今日の出会いから生まれた物ではありません。
様々な御縁あってこそ
今回のお披露目に繋がっております。
(改めて振り返ると少し感慨深いものが、、、)
SNSではとても書ききれなかったので
今日のkakimonoは、その物語について少し。
※製品についての細かなディテールや通販対応はこちらをご覧くださいませ。
![](https://mienisi.net/wp-content/uploads/2022/04/CD952DFF-AA5B-45C7-A293-0342DDC2665D-768x1024.jpeg)
小渕さんとの御縁はmienisiをopenする少し前、
衣服の染め直しについて試行錯誤していた頃に遡ります。
ご存知の通り“染色”といっても様々な手法があります。
身の回りのもので完結できることもあれば、
大きな設備を要するもの、
素材によって向き不向きのあるもの、
非常に手間暇のかかるもの、
など多種多様です。
様々な特徴はあれどそこに優劣は無くて、
素材、形、色、質感、風合いといった
表現したい要素をクロスさせて最も適した手法を選ぶ事。
それが大切だったりします。
mienisiの染め直しにとっても重要な要素はいくつかありましたが
“古着を製品染めする事”
やはり胆となるのはこの部分でした。
様々な手法を検討する中で
行き着いた一つの答えが“ベンガラ染め”だったのです。
衣服にも肌にも優しい天然染色技法“ベンガラ染め”は
特殊な機械などを必要とせず、また化学物質や熱すらも必要としません。
自然にある素材のみを使用し
染料はそのまま土に還る。
まさに染め直しとして最も理想的であると直感した私は、
ぜひその染色技法を間近で見てみたい、体感したいと思い、ご連絡。
それにお応え下さったのが小渕さんでした。
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奈良の県境に程近い、大阪府南東部・羽曳野市。
そこに日本で唯一ベンガラを主とした染色を行なう工房、
“古色の美”は存在します。
写真の男性が小渕さん。
ベンガラ染めの優しい色味を体現したかのような
とても柔和で誠実なお人柄。
そして、驚いたのが、染め場。
大規模な設備や大掛かりな仕掛けなどはなく、
まるで日々の生活に溶け込むかのように存在するその姿を見て
直感は確信へと変わったのでした。
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![](https://mienisi.net/wp-content/uploads/2022/04/2CD313BB-1FAB-45EC-AAEF-66F1050AFAEE.jpeg)
ベンガラは、
焼土によって生まれる色を用いた世界最古の土の染料。
古くは塗料として建材に使用されてきました。
古色の美様も創業は1965年。
最初は社寺や日本家屋のベンガラ塗りとして活動されていたそうです。
そのベンガラをとあるキッカケから
先染めの染料として用いる事に。
その開発にずっと携わってきたのが小渕さんでした。
元々絵師として活動されていた小渕さん。
ベンガラに出会ったのは、それを使って絵を描いていたからだそうです。
自然が作り出す、一言では表せない深みのある色。
その虜となった小渕さんは
染め師になられて早15年ほど経つと言います。
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写真の布は全てベンガラ染めの色味。
その大きな特徴の一つに「互換性」の高さがあり、
(色と色を調合して新しい色を作ること)
現在古色の美様では全25の色が存在します。
そのまま用いる事はもちろん、
それらの色味を重ね・混ぜ合わせる事で
絶妙なニュアンスカラーを作り出していきます。
私が初めて工房にお伺いした際は
ベンガラの歴史に始まり、
実際の染料作りや染色工程などを楽しく見学。
更にはベンガラのルーツである
ベンガラ塗りの家まで拝見させていただき…
これでもか!と堪能してしまいました。
当時の私は店も何も当然無く、
口下手でぎこちなくて服は真っ黒(笑)と
立派な不審者だったと思いますが、
古色の美の皆様、その節は本当にありがとうございました。
そんな御縁あって、
服屋 mienisiでは染め直しの一つとして
古色の美様のベンガラを使用しております。
(その色味の奥深さについては店頭で詳しく)
そして・・・
この御縁が和紙布誕生に繋がっていくのですが
キリがよいので今回はここまでに。
ぜひ次の記事もあわせてご覧くださいませ。
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