Forma × MORIMOTO Order Exhibition −“C”JACKET−
▽オーダー受付期間▽
5/30〜6/4
▽納期予定▽
2025年12月頃
▽デザイナー在廊日▽
5/31(土),6/1(日)
5月“iolom展”に続き
6月は二つの企画展をご用意
最初の宴は
靴修理職人である上田氏の“Forma shoe salon”と
清澄白河でオーダーメイドレザーウェアを手掛ける“MORIMOTO”氏
二人の技術と嗜好によって生まれた
「“C” JACKET」のオーダーエキシビジョンです。

Formaの上田さんと知り合ったきっかけは
とある顧客様のご紹介でした。
かの有名な「ユニオンワークス」にて従事し
自他共に認めるファッションホリックな
“狂った靴修理職人”が居る、と。
そして昨年
mienisiで開催したEVARIST展
オーダーシューズのアフターフォローについての打ち合わせが
初めての出逢いの場にとなりました。
その企画展でも上田さん
なんとEBの短靴をホワイトクラッタの表と裏で2足買い。
服好きに悪人は居ないという持論の元
今回、幸運にも御縁をいただきました。
靴修理のスペシャリストである上田さん
始まりは関西のセレクトショップで経験を積み
その後自身がこよなく愛していた「靴」に目を向け
東京のユニオンワークスに飛び込みます。
そこからシューズリペアの世界にどっぷりと浸かり
満を持して“Forma shoe salon”として独立。
靴修理職人歴20年以上の
確かな実績と技術はもちろん
ファッションへの深い「解像度」を持つ稀有な方で
mienisiの靴修理も担ってくださっています。
本企画展に限らず、お手持ちの靴で何かお困りごとがございましたら
是非一度ご相談されてみてはいかがでしょう。

その深いファッション愛により
Formaではシューズリペアを生業とする傍ら
様々なオーダーアイテムを手がけています。
発想はとてもシンプル
上田さん自身が純粋に「欲しい」と思う物だけを
最良の技と術で作り上げること。
上田さんの「嗜好品」とも呼ぶべき
偏りに偏ったラインナップは
それぞれに精通した職人達が手がける
一点物ならぬ逸品物です。
そんな中、今回白羽の矢が立ったのが
“C”JACKET
改め
“コルビジェジャケット”でした。

『今や一つのジャンルとして確立されたフレンチヴィンテージ。
ワークウェアやミリタリーウェアは
出自に関する蘊蓄にも事欠かず
色々な媒体で語られているのを目にする機会も多いように感じます。
私も20年ほど前に購入し所有し続ける1着があります。
“コルビジェジャケット”の愛称で呼ばれる事の多いそれは
元々フランスの国有企業や行政機関の仕事に従事する人たちに支給されていた品。
それを、建築家のル・コルビジェが
アトリエでの作品制作時に好んで着用していたことから
その名で呼ばれるようになったのだとか。
ただ、20代の頃から所有はしていますが
それに袖を通すのは年に2~3度…
お世辞にも着心地が良いとは言えないんですね。残念ながら。
着たいのに、着る気になれない。
そんなジレンマを払拭するために形にしたのが
今回の「“C”JACKET」です。
まず、何よりも着心地の良さを重視し
肩周りの動かしやすさを改善すべく
パターンを引き直すところから始まりました。
使用するレザーにも拘り
上質なゴートやディアを使用する事で柔軟性を持たせ
更には革の厚みにも拘り
羽織った際に感じる重さの軽減にも努めました。
その反面
「コルビジェジャケットと言えば!」なディテールは
とことん、再現を試みました。
視覚的に一番のポイントとなるダブルの前立て。
こちら、支給時にはどちらもボタンホールが開いていなかったそうです。
であればその意図をFormaでも汲み取り
受け取った当人が自分でカットして着用できるようにする。
男性は合わせが左前になるように、女性は逆に右前となるように、など。
最後に自分が手を入れる事で一着の服が完成する…
なんだかワクワクしませんか?
それ以外にも例えば「襟」
ヴィンテージのものはどうにも襟が綺麗に立たない。
チンストラップで留めてしまえば良いのかもしれませんが
ストールを巻いたらそれも難しい。
襟裏には補強のステッチを入れ
襟周りの形状も雰囲気を崩さない程度にパターンを変更し
そのようなストレスを全て解消しました。
襟一つで着こなし方にも奥行きが生まれます。
他にも随所に拘りを詰め込みました。
細かい点は是非店頭で。』
デザイナーの想いをよりダイレクトに届けられると感じ
上田さんからいただいた言葉の数々
殆どそのまま引用させていただきました。
構想から完成まで長い時を経て誕生した
“C”JACKET
それがこちらとなります。







まさに嗜好品の名に相応しい仕上がり。
サンプルは上田さん自身の私物であり
モデルももちろん上田さん本人。
実は様々な型が存在するコルビジェジャケット
例えば実際にル・コルビジェが着用していたものは
襟がレザーではなくウールの仕様ですが
上田さんは再現性に拘るのではなく
あくまで「物」として良さの追求
見栄えの良さや実用性に重きを置いています。
更にそこに
思いがけない変化を生むのが
「革」です。











この絶妙なニュアンスを魅せる革は
兵庫の新進気鋭なタンナー・タツノラボが手掛ける
本州の野生の鹿皮を鞣したジビエレザー。
Portierra(ポルティラ)のSandという色になります。
ジビエならではの力強い革の表情が
淡くナチュラルなアイボリーカラーによって
表面に脈打つように映し出されています。


同じ「型」であっても
「革」が変わると全く異なる作品へと転じるのが
今展の面白さ。
それがもう、選びきれない程、集結していますよ…







同時に、裏地やボタンといった服飾材もお選びいただけます。






店頭では前述の2着以外に
複数の着用サンプルをご用意。
また、実際にお客様が着用されているサンプルや
デザイン元となったヴィンテージも取り揃えます。
随所のディテールや
リテイクを重ねたフィッティングの違いなど
是非着比べていただけたら。

サイズ展開はS・M・Lの全3種
加えて、袖丈・着丈の調整を±5㎝までノーチャージで行なう事が可能です。
まさに至れり尽くせりな
“オーダーエキシビジョン”に名に相応しい展示になるのではないかと。

50年以上の時を経ても尚
今だにその魅力が色褪せないコルビジェジャケット。
美しいデザインとストーリーによって生まれた
紛れもない“末永く愛された一着”
そんな逸品を
今在る最善の手法で新たに創り上げ
次の50年に想いを馳せるという
Forma上田さんの試み。
一服好きとして、胸が躍ります。

色々と御託は並べましたが
私自身の「欲しい」という直感
今展はその一言に尽きます。
mienisiで依頼した靴修理の納品と共に
ちゃっかりと“C”JACKETを持ち込まれた
上田さんの策略にまんまと嵌められてしまった訳です。
有り難く、享受したいと思います。
最後に蛇足ですが
“C”JACKETは今年限りで一旦受注をお休みする事が決まっています。
今回の貴重な機会をお見逃しなく。
それでは、店頭にて上田さんと共にお待ちしております。