2024 春の染め直し −柿渋−
“2024 春の染め直し −柿渋−”
−受付期間−
受付:2024.4.20〜5.12
返却予定:8月頃
期間中は当店購入品以外の衣服もお引受け致します。
遠方の皆様もお気軽にお問い合わせくださいませ。
−染色方法−
“染一平/京都西陣”
濃柿渋染め(赤錆・黒褐)
−染め代金(税抜)−
〜300g:7,000円
301〜400g:8,000円
401〜500g:9,000円
501〜600g:10,000円
601〜700g:11,000円
701〜800g:12,000円
801〜900g:13,500円
901〜1000g:15,000円
1001g〜:100g毎に+2,000円
※mienisiショッパー:一枚3000円
《参考例》
シャツやブラウス:200〜400g程度
ワンピースやボトムス:400〜800g程度
アウター:600〜1200g程度
※形や素材によって異なります。
−染色可能素材−
綿、麻、竹、和紙
レーヨン等の再生化学繊維
※化繊混やシルク・ウール混はご相談ください。
《染め直しの流れ》
−店頭受付
- 店頭へご希望の衣服をお持ち込みください。
- g数を計量して染め直し代金を算出します。
その場でお支払いをお願い致します。(※現金決済のみ) - 染め直し完了後、随時ご連絡致します。
−WEB受付
- HPのcontact、またはInstagramよりご連絡ください。
- 衣服の詳細をお伺いした後、お品物をmienisiへお送りいただきます。
- お品物を確認して正確な染め代金と留意点などをご連絡致します。
- 染め代金をお支払いいただきます。(銀行振込or代金引換)
- 染め直し完了後、お品物をご返送致します。
※誠に恐れ入りますが往復分の送料はお客様ご負担となります。
《注意事項》
- 予め洗濯等を行なった状態でお持ち込みください(染めムラの原因となります)。
- “縮み”が起こる為、1〜1.5サイズ程度小さくなります。
- 天然染色のため、均一に染まらず色むらが起こります。
- ご着用を重ねると“色落ち”や“アタり”が起こります。
- 染め上がりは硬くなりますが
着込む事で徐々に柔らかく経年変化します。 - ボタンホールが硬くなります。
- 生地が硬くなる為、直後の修繕が困難となります。
ボタンが緩んでいるものや
大きなほつれや穴などのダメージがあるものは
予め修繕した状態でお持ちください。 - 染め直し後のご返金・ご返品等はお受けできかねます。
その他、染め直しについてはこちらもご覧ください。
新進気鋭な京都の染師が仕上げる
“濃柿渋”の染め直し。
染師・染一平について詳しく綴っています。
ぜひご一読ください。
昨年は様々な方からご用命いただきまして
をありがたい事に企画展後も度々お問合せを頂戴しておりました。
非常に「じゃじゃ馬」な染料である柿渋は
正直なところ両手放しではお引き受けできないシロモノです。
しかしだからこそ
柿渋でしか生み出せない表情があるのも事実。
去年の企画展後から染一平とは何度もトライ&エラーを繰り返し
より濃度の安定と追求を果たした上で
今年も再び春夏のご提案が叶いました。
更に今回は
柿渋本来の色を引き立てた「赤錆」に加えて
新色「黒褐」をご用意。
まずは早速その新色をご覧いただきましょう。
“黒褐(こっかつ)”
黒と茶が入り混じるダークトーン。
柿渋染め×鉄媒染で表現する
多重な染工程を経て生み出される褐色は
やはり染一平のオリジナルレシピです。
反応染料や顔料を使用せず
柿渋と媒染液だけでここまでの表情に仕上げる
さすがは京の染師と言ったところでしょうか。
もちろん柿渋ならではの硬さや経年変化も
お楽しみいただけるお色となります。
1着ずつ詳しく見ていきましょう。
・元々の色:ベージュ
・素材:綿麻(中厚手)
※染色後は未着用
こちらは生地厚しっかりめのシャツワンピース。
柿渋ならではの染めムラが奥行きと陰影を生み
「退廃的」という言葉を
まるで体現するかのような仕上がりに。
「綿×麻」という異なる素材を織り合わせた生地である事も
染めの表情が深まる要因に繋がっています。
染め直し前の写真を撮り忘れるという
うっかりミスさえ無ければ、完璧でしたね。。。
素材:表地・綿麻(中厚手) / 裏地・綿
※染色後は未着用
個人的にこの「黒褐」は
ミリタリー系アウターがハマりそうだなと直感。
KLASICAのモッズパーカーを試してみたところ
やはりな仕上がりとなりました。
シャトル機で織られた綿麻バフクロスはもちろん
各所の真鍮金具まで
ヴィンテージライクな表情に“染”まっています。
元々がネイビーなので
より濃色に仕上がるのも特徴。
裏地(綿100で生成り)との色の差が
はっきり分かるかと思いますので
もし濃色をご希望の場合はご参考ください。
・素材:綿100%(薄手)
こちらのコットンスラブシャツは
染め直し後に何度も着用と洗濯を行ない
「色落ち後」の姿を写真に収めました。
またテスト段階での染色だった事もあり
元々の仕上がりも少し薄めの焦茶でした。
鉄媒染を加える事で
通常の赤い柿渋よりも色落ちしにくくなっています。
とは言っても必ず色落ちはしますので
その経年変化をお楽しみいただけますと幸いです。
・素材:綿100%(やや厚手)
最後に、最も色が定着しなかったコート。
こちらもテスト段階の染色となります。
超高密度・厚手・綿素材と3拍子が揃い
柿渋の赤が乗り切らなかった分かりやすい例。
が、これはこれでイイ味わいです。
狙って仕上げるのは難しい風合いですが
柿渋ならではの力強いムラ感をお楽しみいただくには
上記3条件がおすすめです。
新色・黒褐は
やはりアウター類との相性が良いように感じます。
店頭では上記4着の染め見本をご覧いただきながら
お持ち込みいただいた衣服の仕上がりについて
アレコレお話できれば幸いです。
まずはお気軽にお持ち込みください。
お次は「赤錆」のご紹介。
これからご紹介する写真は
昨年皆様からご用命いただいた品々です。
一部抜粋でお送りする
『染め直しビフォーアフター』
やはりあのBGMを脳内再生していただきながら
じっくりとご覧くださいませ。
生まれ変わった衣服達の姿
いかがでしたでしょうか。
衣服によって様々な変化を遂げる“柿渋染め”は
仕上がりまでのドキドキ感も
醍醐味の一つかもしれません。
なるべく赤茶の仕上がりを目指しますが
赤みは出る場合と出難い場合があり、
また確実に縮みが起こる染色となりますので
お持ち込みいただくお品物のサイズ感には
十分ご注意ください。
柿渋特有の硬くなる性質を生かして
バッグなど小物類の染め直しもおすすめです。
最後に染師・染一平について
今一度ご紹介させていただきます。
“京都西陣・染一平”
立命館大学で染色化学を専攻し
卒業後は大手アパレルの生産管理に従事。
染色整理・生産技術を各地の工場で実践的に身につけながら
予てから構想していた
工芸×工業の新たな“京ノ染め屋”を模索するべく
令和元年に独立を果たす。
染めへの拘りとクセの強さは
何者にも引けを取らない若き染め師が
今年も春夏の立役者となります。
染一平が誇る類稀な濃柿渋染め。
その力強い色と風合いよって
まさしく衣服は“生まれ変わる”はず。
皆様の衣服達が末永く輝きますように。