メイン コンテンツにスキップ

2024 秋冬の染め直し −泥−

−受付期間−

受付:2024.9.14〜10.14
返却:2025年1月予定

期間中は当店購入品以外の衣服もお引受け致します。
遠方の皆様もお気軽にお問い合わせくださいませ。
 

−染色方法−

“金井工芸/奄美大島”
泥染め(濃泥茶・濃泥藍・褪緑)

−価格(税抜/1piece)−

“濃泥茶・褪緑”

〜100g:4,000円

〜200g:6,000円

〜400g:8,000円

〜600g:10,000円

〜800g:12,500円

〜1000g:15,000円

1000g〜:200g毎に+2500円

“濃泥藍”

〜100g:5,500円

〜200g:8,000円

〜400g:10,000円

〜600g:13,500円

〜800g:17,000円

〜1000g:20,000円

1000g〜:200g毎に+3000円

 
《参考例》
シャツやブラウス:200〜400g程度
ワンピースやボトムス:400〜800g程度
アウター:600〜1200g程度

 

−染色可能素材−

綿、麻、竹、和紙、
レーヨン等の再生化学繊維
※シルク・ウール混素材もご相談ください。

   

《染め直しの流れ》

−店頭受付

  1. 店頭へご希望の衣服をお持ち込みください。
  2. g数を計量して染め直し代金を算出します。
    その場でお支払いをお願い致します。(※現金決済のみ)
  3. 染め直し完了後、随時ご連絡致します。

−WEB受付

  1. contactまたはInstagramのメッセージより
    染め直しを希望する衣服の詳細をご連絡ください。
  2. 上記確認後、お品物をmienisiへお送りいただきます。
  3. お品物を確認して正確な染め直し代金や留意点などをご連絡致します。
  4. 染め直し代金をお支払いいただきます。(銀行振込or代金引換)
  5. 染め直し完了後、お品物をご返送致します。
    ※誠に恐れ入りますが往復分の送料はお客様ご負担となります。

《注意事項》

  • 予め洗濯等を行なった状態でお持ち込みください(染めムラの原因となります)。
  • 濃染めの為、生地によっては「縮み」が起こります。
  • 泥染めはご着用を重ねる事で「色落ち」や「アタリ」が生じます。
  • 天然染色のため、均一に染まらない場合もございます。
  • 染め色は元々の衣服の色に左右されます。
  • 染め直し後のご返金・ご返品等はお受けできかねます。

その他、染め直しについてはこちらもご覧ください。

 

今年ももちろんご提案致します

奄美大島の“泥染め”による染め直し。

その特徴について

まずはこちらのkakimonoをご覧ください。

 

実は今年の6月

念願だった奄美の地に

ついに足を運ぶ事が叶いました。

いつも泥染めを引き受けて下さる

金井工芸様にもお邪魔して

生の泥染めを現地で体感。

お忙しい中大変親身にご対応くださった

染師の金井志人さん

金井工芸の職人やスタッフの皆々様

この場を借りて感謝申し上げます。

 

早速、その時の光景を写真にて。

泥染めに必要不可欠な「テーチギ(車輪梅)」
全てはここからスタートします。
タンニンを豊富に含んだこの木々を砕いて煮出し、染料を作っていきます。
こちらは煮出し終えたテーチギ。
染料をより抽出しやすくする為
チップ状に細かく砕くのですが
それもやはり工房内で行われています。
非常に硬度があり、砕くのも一苦労とのこと。
こちらがテーチギを煮出した赤褐色の染色液です。
煮出した後に約一週間発酵させる為
独特の匂いが工房内中には広がっています。
この匂いを嗅いだ時、あぁついに見に来れたのだと、改めて実感が湧きました。
泥染めの工程は昔と大きく変わっていないそうで
今も機械ではなく全て手染めで仕上げられています。
望む濃度に染め上げるべく何度も何度も手染めを繰り返す為、大変な重労働です。
なので染め場は必要最低限の物で整えられており
スムーズに作業が進められるよう随所に工夫と仕組み化が為されています。

ここで初めて「泥」の登場です。
泥染めの由来でもある媒染作業は
工房の裏にある澄んだ湧き池にて行われます。
この工程を経ることで赤く染まった布がグレーに変わり、
何十と繰り返す事でやがて黒へ至ります。

池のすぐそばにはバナナが自生していました。
離島、かつ亜熱帯海洋性の気候である奄美大島は
固有の動植物が多く存在しています。
日本であって日本でないような…
そんな錯覚を覚えました。
鬱蒼と覆い茂った森を抜けると綺麗な清流に到着しました。
川の流れる力を利用し、布に残った染料を洗い流していきます。
工房内の様子。琉球藍を建てる藍瓶も存在していました。

泥染めの工程のその多くは

特異な自然環境の中で完結されていました。

非常に手間のかかる、ほとんど人力の染色技法ですが

その流れ一つ一つに無駄がない。

時として牙を向く程

力強い自然のエネルギーを

コントロールする術などあるはずもなく

“自然の為すがままに営む”

そんな言葉が頭に浮かびました。

染め師である金井志人さんから何度も出てくる

「自然に生かされている」という言葉の真意が

泥染めを通して私にも少しだけ理解できたように思います。

周知の通り“泥染め”は

奄美の伝統工芸である

“大島紬”の一工程です。

人間業とは思えない

精巧かつ緻密な絣と織

驚く事に1つの反物を仕上げるまでに

1〜2年という果てしない歳月を要します。

その途方も無い工程数故

かつての一大産業だった大島紬は

現在では限られた工房でしか生産されていません。

しかし奄美に居ると

その要素が至るところに点在している事に気づきます。

「⚪︎⚪︎織物」と掲げられた看板がいくつも存在していたり

機織りで使用する「かせ」や「シャトル」が

飲食店などの内装の一部に使用されていたり

はたまた公園の壁に描かれていたり。

島の人々の身近な生活の中に

「織物」という文化が深く根付いていた証。

直接そんな話を耳にした訳ではありませんが

今も大島紬は島の誇りとして

大切な存在なのではないかな、と

街を歩きながら思い耽っていました。

さてさて、そんな泥染めで

手持ちの衣服を染め直してしまう…という

贅沢な試みが今回の本題です。

ここからは言葉少なめに

“染め直しビフォーアフター”

その写真を多数ご用意してみました。

あのBGMを脳内再生していただきながら

皆様からご用命いただいた品々を

一部抜粋でお送り致します。

まずは前回から仲間に加わった

新色の“褪緑”を、どうぞ。

素材:麻
素材:綿(カットソー地/薄めの仕上がり)
素材:綿麻
素材:綿麻
素材:麻(ボタニカル柄)
素材:綿(デニム地)

以上、“褪緑”への染め直し集でした。

他の2色に比べると濃度がやや薄いため

元々の色や素材に大きく左右される仕上がりとなります。

それを狙って元の織柄を残す…

という遊びも、面白いかもしれませんね。

 

お次はお馴染み“濃泥茶”

素材:麻(グレンチェック)
素材:絹80% × ナイロン20%
素材:綿(タイダイ染め)
素材:綿絹
素材:恐らく綿(古着)
素材:恐らく綿(古着)
素材:麻(元色が黒に近い濃紺ですが、しっかりと濃茶に)
素材:綿(濃紺モールスキン、こちらも濃色ですが濃茶に)
素材:綿(コート同様、濃紺モールスキン)
素材:綿×レザー
素材:絹(エルメススカーフ)
素材:綿麻(ラグ)

すでに説明不要の“濃泥茶”

今回も沢山のご用命をいただきました。

元の色が濃ければ濃い程

濃茶の色は黒に近くなります。

濃茶ならぬ濃濃茶をご希望の場合は

ご検討ください。

 

そして最後は“濃泥藍”

素材:麻(たっぷりのギャザーも綺麗に濃染)
素材:綿(写真だと分かりにくいですが僅かに柄が残っています)
素材:綿(こちらも僅かに縦縞が見えます)
素材:綿(デニム地、染めによりバックルが1つ欠損しました)
素材:麻(アンティークリネンのショーツ、キャメルのホーンボタンは共色で染まります)

こちらも定番となる“濃泥藍”

より黒に近い深い濃藍は

着ていく度に藍の色が顔を出す

非常に美しい染め色です。

一部、写真の光加減の影響で

濃泥茶のように見える物がございますが

しっかりと「濃藍」に染まっておりますのでご安心ください。

 

美しい奄美大島の光景と

生まれ変わった衣服達の姿

いかがでしたでしょうか。

1300年前から受け継がれる

特異な染色技法の奥深き色。

また着用によって経年変化を遂げていくのも

泥染めの醍醐味の一つです。

店頭では複数の染めサンプルをご用意しております。

他にない唯一無二の色が

衣服の風格をも変えるはず。

皆様の衣服が末永く輝くものと成りますように。

category :